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世界杯预选赛足彩:『ドビュッシーソングブック 対訳歌曲詩集』序文: 山田兼士のブ

时间:2018-03-29 06:41 点击:
『ドビュッシーソングブック 対訳歌曲詩集』序文 対訳詩集の序文として「はじめに」という文章を書きました。まだ推敲の余地があると思いますが、ひとまずここに貼付けておきます。 はじめに ドビュッシーと詩人たち 山田兼士 フランス印象派を代表する作

『ドビュッシーソングブック 対訳歌曲詩集』序文

対訳詩集の序文として「はじめに」という文章を書きました。まだ推敲の余地があると思いますが、ひとまずここに貼付けておきます。

  はじめに ドビュッシーと詩人たち
                           山田兼士

 フランス印象派を代表する作曲家クロードドビュッシー(1862-1918)が文学的能力においても秀でていたことはよく知られている。その 証明として一般に考えられている要因は、歌曲制作にあたって選んだ詩作品がいずれも今日高い評価を得ている名作であること、『前奏曲集』等器楽作品のタイ トルが示す詩的表現力、音楽評論家としても幅広い活動をしたこと、歌曲集『叙情的散文』など自ら作詩した作品があることなどであるが、ここでは特に、ド ビュッシーが作曲したおもな詩人たちについて考えておきたい。
 ドビュッシーが生涯に制作した63曲ほど(習作や未発表作品などの扱い方によって多少の増減がある)の歌曲は、いずれも繊細な文学センスで選ば れた詩によるものであり、それ自体として一つの優れたフランス詩選集(アンソロジー)と呼ぶべき作品群である。言い換えれば、音楽的価値はもちろんのこ と、特に19世紀後半というフランス詩黄金期の作品群を一望できる、きわめて貴重な文学的価値をもつものだ。つまり、一冊の詩集としても読まれるべき歌曲 集なのである。
 まず、初期作品に見られるテオドールバンヴィル(1823-1891)とルコントドリール(1818-1894)について。この二人は当 時勢力を誇っていた「高踏派」の中心人物で、古典的彫刻美を特徴とする芸術至上主義の代表詩人。優れたテクニックが身上である。いずれもドビュッシー青年 期における人気詩人で、年代的にはドビュッシーより40歳以上年長。青年音楽家がベテラン詩人に憧れる心情がうかがわれる。バンヴィル「ピエロ」はシャン ソン風の軽い歌。ドリール「ジャヌ」もリフレインを多用するなどシャンソン風で、未だ習作と見ていい。この二人より更に前時代のロマン派詩人アルフレッ ドド.ミュッセ(1810-1857)の作品に作曲した「ロンドー」もまた、シャンソンもしくはロマンスと呼ぶべき作品。
 次に、ステファヌマラルメ(1842-1898)とポールブールジェ(1852-1935)について。当時まだ高名ではなかったマラルメは ドビュッシーより20歳ほど年長だが、ドビュッシーはこの詩人の作品を雑誌で知って詩「あらわれ」に作曲した。青年期を代表する作品で、このあたりまでが 「習作期」とえいるだろう。一方、ブールジェは世代的によりドビュッシーに近い当時気鋭の作家。マラルメやボードレールほどの深みはないが、清新な抒情が 特徴で、青年ドビュッシーの抒情と響き合った。
 シャルルボードレール(1821-1867)はドビュッシーより一世代前の詩人だが、没後絶大な評価を得るようになった。ドビュッシー作曲の 『ボードレールの五つの詩』はいずれも、詩としても歌曲としても傑作の評価が高いものだ。曲集の冒頭に選ばれた詩篇「バルコニー」などは、エリオットと ヴァレリーがそろって、ボードレールの最も美しい作品、と呼んだほどの名作だ。これら5篇の選択自体がすでにドビュッシーの文学志向が決して生半可なも のでなかったことの証拠と言えよう。中には、生前の『悪の華』に収められなかった作品も混じっているが(「噴水」と「瞑想」)、これは単に、1861年の 第二版までに制作が間に合わなかったためであり、作品としての出来栄えそのものは、決して他の『悪の華』詩篇に比して劣るものではなく、それどころか、 『悪の華』第2版以後の成熟を示す名篇である。これら5篇との格闘によってドビュッシーは脱ヴァーグナー的音楽の自立を実現した、というのが音楽史的な定 説。
 続いてグレゴワールルロワ(1862-1941)とポールクラヴォレ(1863-1936)について。ルロワはドビュッシーと同い年 で、メーテルランク、ヴェルハーレン、ローデンバックと並ぶベルギー象徴派の詩人。時に神秘的体験を歌った。確立期を経たドビュッシーがいわば「自力で」 発見した詩人といえる。 また、クラヴォレは、近現代詩史にはあまり登場しないが、演劇関係では重要視されている。これまでで唯一、ドビュッシーより若い(といっても1歳だけ)作 家である。多くの作曲家に自作の詩を提供、というより依頼したらしい。民衆的な軽みの中にユーモアが漂う。ドビュッシーの引出しの多様化を示す歌曲だ。
 続いてポールヴェルレーヌ(1844-1896)。ドビュッシーによるヴェルレーヌ歌曲では『言葉なき恋歌』が最も有名だが、他にも多くの名 作がある。『三つの歌』などはそれぞれが独自のニュアンスに溢れ、わずか3曲で巨大な音楽空間を創り出している。円熟期のドビュッシーが最も好んで作曲し た詩人である。
 次は、ドビュッシーの「盟友」と呼ぶべきピエールルイスについて。ともに「マラルメの火曜会」の常連で、深い交流があった。年齢でいうとド ビュッシーが8歳上。ドビュッシーの音楽はいよいよ定型から離れ、より自由な音楽世界を切り開いていく。『ビリティスの歌』は自由律、というよりむしろ散 文詩で書かれており、「脚韻もリズムもない」ボードレール的散文詩の実現である。後に、ドビュッシーは朗読と室内楽のための『ビリティスの歌』を作曲して おり、ここでは歌は完全にディクションのみとなる。後期ドビュッシーの方向性を示す作品でもある。
 最後に、ドビュッシー自身の詩による『叙情的散文』。1892年から93年にかけて発表されたこの歌曲集全4曲は、詩人ドビュッシーを位置づけ る意味でも重要な作品。そもそもこれら4作品は、最初、音楽を伴わない作品、つまり詩作品として発表されたもので、その自作の詩に自ら作曲したのがこの歌 曲集。比較的最近になって発見された生前未発表作品『眠れぬ夜』とともに、世紀末詩人全般に通じる象徴的イメージに富んだこれらの作品群は、文字通り「散 文」であることに大きな意味があるだろう。すでに1885年の書簡の中でドビュッシーは「(私がつくりたいとおもっている音楽の種類はといえば)魂の抒情 的運動、夢想の気まぐれに適応するほど、十分に柔軟で十分に対照の激しさをもった、そんなものをつくりたいのです」(1885年10月15日付アンリ ヴァニエ宛)と、ボードレール『パリの憂愁』序文の言葉を借りて、散文詩の可能性を語っていた。ボードレールの散文詩の流儀で歌曲を制作することの可能性 を探っていたわけだ。「韻律も律動もなく音楽的」(ボードレール「アルセーヌウセイへの序文」)な散文を文字通り「音楽」と化した。音楽における決定的 自由の実現であり、この達成は続くオペラ『ペレアスとメリザンド』(メーテルランク原作、1902年完成)へと結びついて行く。
 晩年のドビュッシーは、シャルルドルレアン、ヴィヨン、レルミットといった昔の詩人たちの作品を取り上げているが、そんな中にあって『マラル メの三つの詩』(1913年)と自作の詩による「もう家のない子のクリスマス」(1914年)には特に注目の必要があるだろう。前者は亡き詩人への変わら ぬ敬愛と理解を示す名作であり、後者は第一次世界大戦の惨禍への静かな怒りと憤りをこめた問題作である。

 翻訳について手短に述べておきたい。
 本書はドビュッシーのほぼ全歌曲の仏日対訳詩集として、演奏家の方たちにも鑑賞者の方たちにも広く活用していただくために、いくつかの工夫を凝 らしている。一つは、原詩と訳詩の語順ができるだけ近くなるように、特に行単位のずれは極力なくすように訳していること。もちろん文法構造が異なる二つの 言語をまったく同じ語順に並べることはできない。だが、倒置、省略、反復など様々な方法を駆使することによって語順の相違を最低限におさえることはでき る。もう一つは、訳詩そのものが日本語の現代詩として鑑賞され得ること。原詩のリズムや脚韻をそのまま日本語に移すことは不可能だが、それなりのリズムや 脚韻(的音響効果)を再現することはできる。現代日本語詩として読むに耐えるしらべが宿っていることを祈りつつ、フランス歌曲を愛する方たちと詩を愛する 方たちに、これら63の詩華集を捧げたいと思う。

2013年1月28日 (月) | 固定リンク

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